複合機は、月の印刷枚数が多く5年前後使い続けるならリース、枚数が少なく中古で足りるなら購入、期間が読めないならレンタルが向きます。リースは原則として中途解約できないため、設立直後は契約期間と総額を見てから決めると後悔しません。
この記事でわかること
- リース・購入・レンタルの違いと向いている会社
- リースが途中で解約できない理由と、契約前に決めておくこと
- 見積もりで比べる費用の内訳(本体・保守・カウンター料金など)
- 購入するときの経費の扱い(2026年4月から40万円未満に広がった特例)
- 設立直後に複合機が本当に要るかの見分け方
一次情報: 公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴」/国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(いずれも2026年10月閲覧)
リース会社1社の提案だけで決める前に、ほかの会社の見積もりも並べておくと月額の相場がつかめます。法人と個人事業主が対象で、問い合わせに費用はかかりません。
事務所を借りると、内装やネット回線と同じタイミングで複合機の提案が来ることがよくあります。月額だけを見ると手ごろでも、何年払い続けるのか、途中でやめられるのかまで聞かないと判断できません。
ここでは、リース・購入・レンタルの違いを先に押さえ、見積もりを受け取ったときにどこを見れば決められるかを順に整理しました。
複合機のリース・購入・レンタルの違い
3つの違いは、誰の持ち物になるか、途中でやめられるか、最初にいくら払うかの3点に集まります。リースは月々の支払いで新品を使え、購入は自社の資産になり、レンタルは短期でも借りられます。
導入方法ごとの主な違い
| 項目 | リース | 購入 | レンタル |
|---|---|---|---|
| 持ち主 | リース会社 | 自社 | レンタル会社 |
| 初期費用 | ほぼかからない | 本体代を一度に払う | ほぼかからない |
| 途中でやめる | 原則できない | いつでも手放せる | 契約の範囲でできる |
| 機種 | 自社で選んだ新品 | 新品・中古から選べる | 用意された機種から選ぶ |
| 向く期間 | 数年使い続ける | 長く使う・枚数が少ない | 数か月〜期間が読めない |
3つの導入方法を比べる
- 払い方
- 毎月の定額
- 強み
- 初期費用なしで新品を使える
- 弱み
- 途中解約は残りを一括で精算
- 払い方
- 本体代を一度に
- 強み
- 自社の資産。中古なら安く済む
- 弱み
- 故障時の保守を自分で手配
- 払い方
- 毎月の利用料
- 強み
- 短期でも借りられ、やめやすい
- 弱み
- 月額が割高になりやすい
図:長く使うならリースか購入、期間が読めないならレンタル
リースは「借りる」でも中身は分割払いに近い
複合機のリースの多くは、ファイナンス・リースと呼ばれる形です。リース事業協会の説明では、ファイナンス・リースは「中途解約不能でフルペイアウトのリース」とされています。
フルペイアウトとは、機械の代金や費用をリース料でほぼ全部まかなう仕組みのことです。借りる形をとっていても、実際には分割で買う感覚に近いと考えてください。
レンタルは短い期間向け
レンタルは、レンタル会社が持っている機械を借りる契約です。リースより月額が高めになりやすい一方で、やめたいときにやめやすいのが強みになります。
事務所をいつまで使うか決まっていない会社や、まず数か月だけ様子を見たい会社に向いています。
リースは途中で解約できない|契約前に決めること
リース契約は、基本的に期間中に解約できません。リース事業協会によると、中途解約する場合は、残りの期間のリース料か、それに相当する違約金を一括で支払うよう契約で定められています。
つまり「事務所を移る」「会社を閉じる」といった事情があっても、残りの支払いは消えません。設立直後の会社ほど、契約の前に次の点を決めておくと安心です。
- 今の事務所を何年くらい使う予定か
- 月に何枚くらい印刷・コピーするか(カラーと白黒の割合も)
- FAXやスキャンを使うか
- リース期間が終わったら、返すか、続けて使うか
期間が終わった後は「再リース」か返却
リース事業協会の案内では、期間満了の2〜3か月前にリース会社から通知が来ます。続けて使うなら「再リース」を選び、使わないなら機械を返します。
再リースの料金は、もとのリース料より下がることが多いので、まだ十分に使える機械なら続けるのも手です。見積もりの段階で、再リースの条件も聞いておきましょう。
修理と保守は自社側の負担になる
ファイナンス・リースでは、ユーザーが物件の修繕の義務を負い、販売会社と保守契約を結ぶのが基本です。複合機の場合、保守は「カウンター料金」として印刷枚数に応じて払う形が一般的です。
保守を含めたメンテナンス・リースという形もあります。月額に何が含まれているかは、契約ごとに確かめておきましょう。
見積もりで比べる費用の内訳
複合機の費用は、本体のリース料だけでは決まりません。毎月の総額は、本体・保守(カウンター料金)・消耗品・オプションの合計で見ます。
毎月かかる費用の中身
- 月々の支払い=本体+保守+消耗品+オプション
- 本体のリース料機種の性能(印刷速度・カラー)とリース期間で決まる
- カウンター料金(保守)白黒・カラーそれぞれ1枚あたりの単価×印刷枚数
- 消耗品トナー代がカウンター料金に含まれるか別払いか
- オプションFAX回線、増設トレイ、スキャンの連携など
図:月額の安さだけでなく、印刷枚数をかけた合計で比べる
見積もりを並べるときのチェック表
| 項目 | 確かめること | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| リース料 | 月額とリース期間(何か月か) | 月額が安い分、期間が長い |
| カウンター料金 | 白黒・カラーの1枚単価 | カラーの単価が白黒の数倍 |
| 基本料金 | 印刷しなくてもかかる月の最低料金 | 枚数が少ない会社ほど割高 |
| トナー | カウンター料金に含まれるか | 別払いだと月の総額が上がる |
| 期間満了後 | 再リースの料金・返却の費用 | 返却時の運搬費 |
印刷の多くが白黒の書類なら、カラーの単価より、白黒の単価と基本料金の差が大きく響くはずです。カラーのチラシを社内で刷る会社は、カラー単価の差がそのまま毎月の差になります。
複数社の見積もりを同じ条件で並べる
見積もりは、印刷枚数・カラーの割合・機能を同じ条件にして並べないと比べられません。1社だけの提案で決めると、その会社の相場感がそのまま基準になってしまいます。
一括見積もりのサービスを使えば、条件を一度伝えるだけで複数の取扱会社から見積もりが届きます。比べる手間を減らしたい設立直後の代表者に合った方法です。
月の印刷枚数や、FAXが要るかどうかを伝えると、条件に合う取扱会社から見積もりが届きます。リース・購入のどちらで迷っていても依頼でき、法人と個人事業主が対象です。
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購入するなら知っておきたい経費の扱い
複合機を買う場合、代金は原則として減価償却で数年に分けて経費にします。ただし金額によっては、買った年にまとめて経費にできる決まりがあります。
購入した複合機の経費の扱い(国税庁 タックスアンサー・令和8年4月1日現在)
| 取得価額 | 扱い | 主な条件 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 使い始めた年に全額を経費にできる | 取得価額は通常1単位で取引される単位ごとに判定 |
| 20万円未満 | 一括償却資産として3年間で償却できる | 選ぶかどうかは任意 |
| 40万円未満 | 中小企業者等は使い始めた年に全額を経費にできる | 青色申告・従業員400人以下・年間合計300万円まで |
国税庁のNo.5408によると、中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、令和8年4月1日以後に取得した資産から「40万円未満」に引き上げられました。改正前は30万円未満で、解説記事の中には古い基準のままのものもあります。
対象は令和11年3月31日までに取得して使い始めた資産です。中古の複合機を40万円未満で買う場合は、この特例が使えるかを顧問の税理士に確かめておきましょう。
中古を買うなら保守の手配まで確かめる
中古の複合機は本体代を抑えられる一方、故障したときの修理を誰に頼むかが問題になります。販売会社の保守契約が付くか、トナーを継続して手に入れられるかを、買う前に確認しておくと安心です。
リースの経理上の扱いは、契約の種類によって変わります。どちらで処理するかは、リース会社の説明とあわせて税理士に相談してください。
設立直後に複合機は本当に要る?
すべての会社に業務用の複合機が要るわけではありません。月の印刷が数十枚程度で、FAXも使わないなら、家庭用のプリンターや外のサービスで足りる場合もあります。
どの方法が合うかの目安
- 月の印刷枚数と、事務所を使う期間で考える
- 1印刷が少なく、FAXも使わない家庭用プリンターや外のプリントサービスで足りる
- 2事務所を使う期間がまだ読めないレンタルで数か月使ってから決める
- 3印刷が多く、数年は同じ事務所リースで新品を入れ、複数社の見積もりで比べる
- 4枚数は中くらいで、初期費用を払える中古の購入。保守の手配と経費の扱いを確かめる
迷ったら、リースと購入の両方で見積もりを取り、期間中の総額を並べて比べる。
図:枚数と期間がわかれば、選ぶ方法はほぼ決まる
リースが向いている会社
- 契約書・請求書・資料など、毎月まとまった枚数を印刷する
- 同じ事務所を数年は使う予定がある
- 初期費用を抑えて、手元の資金を開業資金に回したい
- FAXやスキャンを社内の複数人で使う
リースを急がなくていい会社
- 代表者ひとりで、印刷は月に数十枚程度
- 事務所の移転や縮小の予定があり、使う期間が読めない
- 書類のやり取りがほぼPDFとクラウドで済んでいる
事務所の住所をバーチャルオフィスにしている会社は、そもそも複合機を置く場所がないこともあります。住所の選び方はバーチャルオフィスの選び方で取り上げています。
よくある質問
Q1:複合機のリースと購入は、結局どちらが安いですか?
期間中の総額で比べると、同じ機種なら購入のほうが安くなるのが一般的です。リースには手数料や金利にあたる分が含まれるためです。ただし初期費用と保守の手配まで含めると、印刷が多い会社はリースが便利な場合もあります。
Q2:リースを途中で解約するとどうなりますか?
基本的に中途解約はできません。リース事業協会の説明では、解約する場合は残りの期間のリース料か、それに相当する違約金を一括で支払うよう契約で定められています。
Q3:設立したばかりの会社でもリースを組めますか?
リースにはリース会社の審査があり、基準は会社ごとにばらばらです。決算書がまだない会社は、どんな書類を出せばよいかを見積もりの段階で聞いておくと話が早く進みます。
Q4:カウンター料金とは何ですか?
印刷した枚数に応じて払う保守の料金です。白黒とカラーで1枚あたりの単価が分かれていて、月の最低料金が決まっている契約もあります。
Q5:複合機を買ったら、その年に全部経費にできますか?
金額と会社の条件しだいです。国税庁の資料では、10万円未満なら使い始めた年に全額、中小企業者等は令和8年4月1日以後の取得なら40万円未満まで同じ扱いにできます。条件があるので税理士に確かめてください。
Q6:個人事業主でも複合機のリースはできますか?
リース会社によって扱いが違います。見積もりを依頼するときに個人事業主であることを伝え、契約できるかを先に確かめておきましょう。
まとめ
この記事のまとめ
- 印刷が多く数年使うならリース、枚数が少なく中古で足りるなら購入、期間が読めないならレンタル
- リースは原則として中途解約できない。解約時は残りのリース料相当を一括で払う
- 見積もりは本体・カウンター料金・基本料金・トナー・期間満了後の条件まで並べて比べる
- 購入なら、中小企業者等は令和8年4月1日以後の取得で40万円未満まで一度に経費にできる特例がある
- 印刷が少ない会社は、複合機を入れない選択肢も考える
複合機は、一度リースを組むと数年単位の付き合いになります。月の枚数と事務所を使う期間を決めてから、複数の見積もりを同じ条件で並べてみてください。
印刷枚数と使いたい機能が決まったら、複数社の見積もりを同じ条件で取り寄せて比べられます。リースか購入かの相談からでも依頼でき、利用料はかかりません。
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免責事項
※本記事は2026年10月時点の公開情報(公益社団法人リース事業協会の解説、国税庁タックスアンサー)をもとにした整理です。リース料・カウンター料金・契約条件は販売会社や契約によって異なり、審査の結果も会社ごとに違います。税務上の扱いは会社の状況によって変わるため、税理士など専門家へご相談ください。

