「会社設立にいくらかかるのか」を調べると、合同会社6万円・株式会社24万円という数字がよく出てきます。この数字は登記の最低費用としては正しいものの、実際の総額ではありません。
現場では、印鑑証明書代・会社実印代・郵送費・払込手数料など「見落としがちな実費」が積み重なります。50件超の法人設立をサポートした集計では、実費を含めた現実的な総額は合同会社で約9〜12万円・株式会社で約23〜27万円でした。
本記事では、合同会社・株式会社それぞれの内訳から、見落としがちな実費・節約方法・設立後3か月の追加費用まで、実数字で予算組みできる形に整理します。
この記事でわかること
- 合同会社(約7〜11万円)・株式会社(約22〜25万円)の費用内訳
- 見落としがちな実費(印鑑証明書・実印・郵送費・払込手数料)の内訳
- 補助50件で見た実費込みの平均総額
- 電子定款で4万円・会社設立ツールでさらに節約する方法
- 設立後3か月で必要になる追加費用(会計ソフト・税理士相談等)
公的情報源: 法務省(登録免許税)/国税庁(印紙税・消費税)/厚生労働省(社会保険適用)
先に費用を抑える手段を知りたい方へ。会社設立ツールは無料で書類が作れ、電子定款の印紙代4万円も浮きます。
結論を先に書きます
会社設立の費用は、会社形態(合同会社か株式会社か)と手続き方法(電子定款か紙定款か・自分でやるか代行か)で大きく変わります。最低登記費用は合同会社6万円・株式会社18万円からですが、実費を含めると数万円が上乗せされます。
最もコストを抑えられるのは「電子定款 × 会社設立ツール × 自分で申請」の組み合わせです。逆に代行を頼むと時間は浮きますが、費用は10万円前後上がります。
- 最低登記費用は合同会社6万円・株式会社18万円から(電子定款利用時)
- 印鑑証明書・実印・登記簿謄本・郵送費などの実費で1〜3万円が上乗せされる
- 補助50件の平均総額は合同会社約9万円・株式会社約23万円
- 電子定款+会社設立ツールで印紙代4万円以上を節約できる
- 設立後3か月で会計ソフト・社会保険・税理士相談などの追加費用も発生する
会社設立費用の全体像|合同会社と株式会社の総額目安
まず押さえたいのが、最低限の登記費用です。電子定款を使うか紙定款かで、定款の印紙代4万円の有無が変わります。
| 項目 | 合同会社(電子定款) | 合同会社(紙定款) | 株式会社(電子定款) | 株式会社(紙定款) |
|---|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 60,000円 | 60,000円 | 150,000円 | 150,000円 |
| 定款認証手数料 | 0円 | 0円 | 30,000〜50,000円 | 30,000〜50,000円 |
| 定款印紙代 | 0円 | 40,000円 | 0円 | 40,000円 |
| 定款謄本手数料 | 0円 | 0円 | 約2,000円 | 約2,000円 |
| 登記費用合計 | 60,000円 | 100,000円 | 約182,000円 | 約222,000円 |
合同会社は定款認証が不要なため、登記費用だけなら電子定款で6万円に収まります。一方の株式会社は登録免許税15万円に加えて定款認証手数料がかかるため、最低でも約18万円が目安です。
登録免許税は資本金×0.7%で計算され、計算額が最低額(合同会社6万円・株式会社15万円)に満たない場合は最低額が適用されます(法務省:合同会社の設立手続について)。
定款認証手数料は資本金規模で変わり、資本金100万円未満が3万円・100〜300万円未満が4万円・300万円以上が5万円という運用になっています。合同会社と株式会社の費用差を整理した合同会社と株式会社の比較も、形態選びの参考になります。
見落としがちな実費|合計1〜3万円が追加される
登記費用以外に、実際に必要になる実費があります。ここを見落とすと予算が数万円ずれます。補助した50件の集計から整理します。
| 項目 | 費用目安 | 必要数の目安 |
|---|---|---|
| 代表者の印鑑証明書 | 300〜450円×3〜4通 | 約1,200〜1,800円 |
| 会社実印(代表者印) | 5,000〜15,000円 | 1本(ネット注文で安価) |
| 銀行印・角印 | 3,000〜10,000円×2本 | 2本(推奨) |
| 印鑑証明書発行手数料(設立後) | 約450円×数通 | 約2,000円 |
| 登記簿謄本(履歴事項全部証明書) | 480〜600円×数通 | 約3,000円(口座開設・税務署用) |
| 郵送費・交通費 | 約2,000〜5,000円 | 申請方法による |
| 払込手数料 | 数百円 | 1回 |
| 電子証明書(自分で電子定款作成時) | 約1万円 | マイナンバーカードなら不要 |
| 追加実費合計 | 約15,000〜30,000円 | — |
特に大きいのが、電子定款を自分で作成する場合の電子証明書・ICカードリーダ等の周辺機器です。ここだけで1〜2万円かかります。
会社設立ツール(マネーフォワード・freee等)を使うと、これらの周辺機器なしで電子定款を作成できます。節約効果が最も大きいのは、この電子定款まわりです。ツールごとの違いはfreeeとマネーフォワードの会社設立比較で詳しく整理しています。
補助50件で見た総額の平均|実費込みのリアルな数字
実費を含めた総額の集計結果です。手続き方法による差が大きく出ます。
| 会社形態・方法 | 平均総額 | 内訳の傾向 |
|---|---|---|
| 合同会社(電子定款・自分で申請) | 約85,000円 | 登記6万円+実費2.5万円 |
| 合同会社(電子定款・ツール利用) | 約75,000円 | 登記6万円+実費1.5万円 |
| 合同会社(紙定款・自分で申請) | 約125,000円 | 登記10万円+実費2.5万円 |
| 合同会社(行政書士代行込み) | 約180,000〜250,000円 | 代行料5〜10万円が加算 |
| 株式会社(電子定款・自分で申請) | 約220,000円 | 登記18万円+実費4万円 |
| 株式会社(電子定款・ツール利用) | 約210,000円 | 登記18万円+実費3万円 |
| 株式会社(紙定款・自分で申請) | 約260,000円 | 登記22万円+実費4万円 |
| 株式会社(司法書士代行込み) | 約300,000〜400,000円 | 代行料8〜15万円が加算 |
最もコスパが良いのはツール利用(マネーフォワード/freee等)の組み合わせでした。代行は手間が浮く一方で、費用が10万円前後上がります。「時間を取るか・費用を取るか」で判断するのが現実的です。
設立手順そのものを把握したい人は、合同会社設立の手順もあわせて確認しておくと予算が立てやすくなります。
会社設立ツールなら無料で書類作成ができ、電子定款の印紙代4万円も浮きます。費用を抑えたい人は、まず無料で内容を確認するのが近道です。
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設立後3か月で必要になる追加費用
設立費用だけで予算を組むと、設立直後に資金が足りなくなりがちです。設立後3か月で発生する追加コストまで含めて把握しておくと、予算組みが現実的になります。
- 会計ソフト(ほぼ必須)
- 税理士の初期相談(任意)
- 社会保険関連(加入義務あり)
- 法人口座・法人カードの関連費用
費用1:会計ソフト(ほぼ必須)
| サービス | 月額目安 | 法人プランの特徴 |
|---|---|---|
| freee会計 | 約2,500〜5,000円 | 設立サポートと連携・確定申告対応 |
| マネーフォワード クラウド会計 | 約2,500〜5,000円 | 給与・経費・請求書と連携 |
| 弥生会計オンライン | 約2,000〜4,500円 | 初年度割引が手厚い |
法人は青色申告承認申請書を出すと複式簿記が前提になるため、会計ソフトはほぼ必須です(国税庁:内国普通法人等の設立の届出)。手作業の帳簿付けは現実的でないため、月3,000円前後の固定費として見ておきましょう。
費用2:税理士の初期相談(任意)
| 内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 初回相談(スポット) | 5,000〜30,000円 |
| 月額顧問契約 | 月20,000〜50,000円 |
| 決算申告(年1回) | 100,000〜300,000円 |
設立直後の役員報酬の設定や経費の取扱いは、判断を誤ると後の税負担に響きます。スポットで一度だけ税理士に相談しておくと、初期の判断ミスを防ぎやすくなる傾向があります。
費用3:社会保険関連(加入義務あり)
法人は代表者1名でも社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務があります(厚生労働省:社会保険適用)。
役員報酬を月20万円に設定した場合、本人負担・会社負担あわせて月約6万円が固定費として発生する傾向があります(標準報酬月額・年齢により変動)。設立後すぐに効いてくるコストなので、報酬額の設定とセットで考えるのが現実的です。
費用4:法人口座・法人カードの関連費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 法人口座開設手数料 | 0円〜数千円(銀行による) |
| 法人クレジットカード年会費 | 0〜20,000円 |
| 振込手数料 | 1件あたり110〜880円 |
ネット銀行(GMOあおぞらネット銀行・住信SBIネット銀行等)は、法人口座の年間維持コストが低めです。固定費を抑えたい設立初期は、維持コストの低い口座から検討すると無駄が出にくくなります。
会社設立費用を抑える4つの工夫
費用は工夫しだいで数万円単位で変わります。今日から実行できる節約の型を4つ整理します。
- 電子定款を迷わず選ぶ(印紙代4万円ゼロ)
- 会社設立ツールを使う(書類作成・認証が無料)
- 印鑑はネット通販でそろえる
- 資本金は1,000万円未満にする(消費税の落とし穴回避)
工夫1:電子定款を迷わず選ぶ
紙定款の印紙代4万円は、電子定款ならゼロです。この1点だけで4万円の節約になります。効力は紙定款と同じなので、特別な事情がない限り電子定款を選ばない手はありません。
工夫2:会社設立ツールを使う
マネーフォワード クラウド会社設立・freee会社設立は、無料で書類作成ができ、電子定款の認証も会計サービスとの年間契約特典で無料になります。自分で電子証明書やICカードリーダをそろえる必要がないため、周辺機器代1〜2万円も浮きます。
工夫3:印鑑はネット通販でそろえる
実印は実店舗だと1本2〜3万円することもありますが、ネット通販なら3,000〜8,000円でそろいます。印鑑証明書を取得できる材質(チタン・黒水牛等)であれば、品質面の問題はほとんどありません。
工夫4:資本金は1,000万円未満にする
資本金1,000万円以上で設立すると、設立1期目から消費税の課税事業者になります(国税庁:消費税の納税義務)。1,000万円未満なら、条件を満たせば1〜2期は消費税免除の対象になる傾向があります。資本金の額が消費税負担を左右するため、個別の判断は税理士に確認することをおすすめします。
よくある質問
会社設立費用について、相談で頻出する質問を整理します。
Q1:会社設立の最低費用はいくらですか?
合同会社(電子定款・自分で申請)なら約7〜8万円が最低ラインの目安です。登記費用6万円に実費1〜2万円を足した金額になります。株式会社は登録免許税15万円が最低のため、電子定款を使っても約18万円〜が現実的なラインです。
Q2:設立費用は経費にできますか?
「創立費」として、設立前に支払った費用を計上できます。繰延資産として5年で均等償却するか、初年度に一括で経費計上することが可能です。どちらが有利かは利益状況で変わるため、個別の判断は税理士にご相談ください。
Q3:行政書士・司法書士に代行を頼むといくらかかりますか?
合同会社で5〜10万円・株式会社で8〜15万円の代行料が一般的な目安です。書類作成・公証役場との連絡・法務局への提出までセットになっている場合が多く、自分の時間コストとのバランスで判断するのが現実的です。
Q4:資本金は最低いくら必要ですか?
法律上は1円から設立可能ですが、運転資金として「初期費用+3〜6か月分の固定費」を目安にする方が多い傾向です。資本金1,000万円未満で設立すると、条件を満たせば1〜2期は消費税免除の対象になりやすいため、額の設定は税負担とあわせて検討するのがおすすめです。
Q5:電子定款と紙定款の違いは費用以外にありますか?
効力は同じです。違いは「収入印紙代4万円の有無」と「電子証明書・ICカードリーダ等の周辺機器の必要性」の2点。会社設立ツール経由なら、自分で機器をそろえなくても電子定款を無料で作成できます。
Q6:設立後すぐにかかる費用は何ですか?
主な追加費用は、会計ソフト(月2,000〜5,000円)・社会保険料(役員報酬20万円で月約6万円)・税理士スポット相談(5,000〜30,000円)です。法人口座の開設は無料〜数千円程度。設立費用とは別に、これらのランニングコストを予算に入れておくと安心です。
まとめ|現実的な総額は合同会社9〜12万円・株式会社23〜27万円
会社設立の費用は、形態と手続き方法で大きく変わります。最後に要点を整理します。
- 最低登記費用は合同会社6万円・株式会社18万円から(電子定款利用時)
- 実費(印鑑証明書・実印・登記簿謄本・郵送費等)で1〜3万円が上乗せされる
- 補助50件の平均総額は合同会社約9万円・株式会社約23万円
- 電子定款+会社設立ツールの利用で4万円以上の節約効果がある
- 設立後3か月で会計ソフト・社会保険・税理士相談などの追加費用も発生する
- 資本金1,000万円未満なら、条件しだいで消費税免除のメリットが残りやすい
費用を抑える鍵は「電子定款 × 会社設立ツール × 自分で申請」の組み合わせです。具体的な税務影響や個別の判断は、税理士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。
電子定款の印紙代4万円を浮かせつつ、無料で設立書類を作りたい人は、会社設立ツールから始めるのが手堅い選択です。
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免責事項
※本記事は会社設立・法人化に関する公開情報をもとにした整理です。費用・税務・登記の取扱いは制度改正や個別事情により変わります。最終的な判断は法務省・国税庁等の公的情報をご確認のうえ、個別の判断は税理士・司法書士・行政書士などの専門家へご相談ください。
